端午の節句には欠かせない、みんな大好き柏餅。
ところで柏餅を食べるとき、おもちのまわりを包んでいる葉っぱはどうしていますか?
そもそも柏餅の葉は食べるものなのか、食べないならなぜ葉っぱが巻かれているのか、柏餅の葉っぱについては本当にナゾが多いですよね。
そこで今回は、柏餅の脇役ともいえるおもちを巻いている葉っぱにスポットライトを当ててみました。
柏餅を食べて「おいしくない」と言い放ったあのお方の逸話も交えながら、柏餅の葉にまつわるアレコレをサクッとまとめましたよ~♪
柏餅の葉は食べるの?
柏餅の葉は食べるものなのか。
結論としては、一般的には食べないのが正解です。
カテゴリー的には桜餅ではなく、ちまきに近いと考えるといいかもしれません。
桜餅の葉っぱは(好みによって)食べるけれど、ちまきの葉っぱであるササの葉は食べませんよね。
柏餅の葉っぱには槲(かしわ)の葉またはサルトリイバラという葉が使用されていますが、どちらも筋張っているうえ、葉っぱの青臭さがとにかく強烈です。
過去に昭和天皇が柏餅を食べて「おいしくない」と言い放った事件をご存知でしょうか?
あの話は昭和天皇が柏餅を葉っぱごとお食べになられたからなんです。
ある日宮中の大善に入っていたコックさんが上司から「柏餅を御所に届けるように」と命じられ、あろうことか柏餅を葉っぱごとお皿に乗せて御前に出してしまったのです。
皇室には「お皿に盛りつけてあるものはすべて食べられるもの」というルールがあります。
そのルールに則って昭和天皇は葉っぱごと柏餅を召し上がられ、「おいしくない」発言が飛び出したのだとか・・
陛下が去ったあと、当のコックさんはそばで様子を見ていた女官さんにきつく注意され、上司からも大きな雷が落とされたそうです。
昭和天皇が柏餅の葉っぱを食べて「おいしくない」と言ったり、天皇のまわりの人間がめちゃくちゃ怒った話から、やはり柏餅の葉は食べないのが一般的だということが分かりますね。
ちなみに・・昭和天皇の様子をそばで見ていた女官が「柏餅の葉は食べませんよ」と天皇に一言添えればよかったのでは?と思うかもしれませんがそれはタブー。
宮中では皇室に仕えている人間が皇室の人々に話しかけてはいけない決まりになっているんです。
天皇陛下が「この葉っぱはどうするの?」と聞かれて初めて、「柏餅の葉っぱ食べません」と答えることができるのです。
柏餅の葉っぱの意味
柏餅の葉っぱは食べないのが一般的なら、ではなぜおもちが葉っぱで巻かれているのかという話です。
柏餅が葉っぱで巻かれているのには、超合理的な理由と由来があったのです・・!
柏餅が葉っぱで巻かれている理由
柏餅のおもちが葉っぱで巻かれている理由としては3つあります。
理由①端午の節句に関係あり
1つ目の理由は、柏餅が端午の節句に食べられることに関係があります。
端午の節句は男の子の成長をお祝いする日ですよね。
ちょっと幼稚園から小学生くらいの男児の手を想像してみましょうか・・
決して清潔ではない、きったない手が想像できませんか?(笑)
そんな不衛生な手でおもちをベタベタ触らなくて済むように、サランラップ的な意味を込めて葉っぱが巻かれているんです。
今でこそ蛇口をひねれば水が出て食べる前に手を洗うことが簡単にできますが、江戸時代レベルの昔には手を洗うことすらなかなかハードルが高かったことが予想されます。
先人たちの知恵で、少しでも衛生的に食せるようにということで葉っぱを巻いたんでしょうね。
理由②もち同士がくっつかないようにするため
柏餅を蒸すときに、おもちだけだとくっついてしまいます。
そこでおもちがくっつかないようにするために、葉っぱを巻くようになったと言われています。
理由③香りづけのため
柏餅をカテゴライズしたときちまきに分類されるといったのは、葉っぱを食べないことだけが理由ではありません。
柏餅もちまき同様、香りづけをするためにおもちを葉っぱで包むのです。
おもちを葉っぱで包んで蒸し上げるとちまきはササの葉の香りが、柏餅は槲の葉のなんともいえない良い香りがしますよね♪

食べるわけでもない柏餅の葉っぱを、代用の葉っぱを利用したり他国から輸入してまで取り寄せるのには、思ったよりも現実的な理由があったことが分かりますね。
柏餅が葉っぱで巻かれるようになった由来
柏餅の葉っぱは槲(かしわ)の葉やサルトリイバラの葉が使われています。
ここでは詳しい話は割愛しますが、柏餅に使われている葉は柏の葉ではなく槲の葉、しかももともとは槲の葉ではなくサルトリイバラの葉が使われています。
ではなぜこれらの葉っぱが使われるようになったのか、由来は江戸時代にまで遡ります。
柏餅が誕生したのは1800年代とされています。
当時は柏の葉でも槲の葉でもなく、サルトリイバラの葉が主として使用されていました。
ただ江戸の町のような都会では自生しているサルトリイバラは少なく、代用として槲の葉が使われるようになったそうです。
柏の葉は新芽が育つまでは枯葉が木から落ちることがない様から、子孫繁栄や家系が途絶えない縁起物として柏餅を包む葉っぱに採用されたとのこと。
端午の節句は男の子の成長を祝う日なので、柏の葉がちょうどイメージにピッタリだったんでしょうね。
でもね~柏の葉って針葉樹だからそもそもおもちは巻けないんですよね。
↑柏の木
じゃあ漢字違いの槲の木でいっちゃう~?ってなったんだとしたら、現代の人が考えた作り話なのが濃厚(笑)
だってそもそもは柏の葉でもなんでもなく、サルトリイバラの葉が使われていたんですから・・
まあ作り話かどうかはさておき、柏餅の葉っぱにしても鯉のぼりのにしても、由来は江戸時代まで遡ります。
江戸時代に発祥したものが令和時代まで脈々と受け継がれていると考えると、本当にすごいことですね。
さいごに
柏餅の葉は食べるのか否かについては、食べないのが一般的なようです。
昭和天皇が「おいしくない」と言い放ち、宮中の人間が激怒した話を総合してみても、柏餅の葉は食べないのが正解ですね。
ただ葉っぱは食べないにしても合理的な理由によって葉っぱで包まれているので、決してムダではないことだけはご承知おきくださいね♪
コメント