歯ブラシの交換の目安を知っていますか?
「毛先がボロボロになったら交換しているよ!」という方。もしかしたらその歯ブラシでは歯を磨く意味はないかもしれません・・!
「ふふん♪私は1ヵ月に1回必ず交換しているよ!」という方。残念ながら、1ヵ月に1回の交換は必ずしも正解とは言えないんです・・!
意外と奥深い歯ブラシの交換の目安について、元歯科助手の私が詳しく解説していきます。
正しい歯ブラシの交換の目安を知ることは、お口の中をキレイに保つことにも繋がります。
- 正しい歯ブラシの交換目安を知りたい
- 虫歯になりたくない!
- 歯医者にかかりたくない!!
これらに当てはまる方は、ぜひこのまま読み進めてくださいね♪
歯ブラシの交換の目安
歯ブラシの交換の目安は、1ヵ月~1ヵ月半がひとつの目安になります。
でもこれ、あくまでも1つの“目安”なんです。
というのも、歯ブラシを裏から見たときに歯ブラシの毛先が開いているのが確認できるようなら、その歯ブラシは交換のタイミングだから。
たとえば1日3回毎回同じ歯ブラシで歯を磨く方は、1ヵ月より前に毛先が消耗してくるかもしれませんよね。
そのような場合には、毛先が消耗しているようなら使い始めてから2~3週間であっても歯ブラシの交換のタイミングです。
つまり歯ブラシの交換の目安は期間で決まるものはなく、歯ブラシの消耗具合によって決まるといえます。
ただ普通に使っていたら1ヵ月経つ頃には歯ブラシの消耗が見え隠れしだすので、1ヵ月がちょうど交換のタイミングと覚えておいてもあながち間違いではなさそうです。
歯ブラシを1ヵ月を目安に交換すべき2つの理由
歯ブラシを1ヵ月あたりを目安に交換すべき理由として2点挙げられます。
- 歯垢除去率の低下
- 細菌の繁殖

元歯科助手の私が詳しく解説していきます。
①歯垢除去率の低下
まだ一度も使っていない、新品の歯ブラシの歯垢除去率はどのくらいなのかご存知ですか。
「もちろん100%!」と言いたいところですが、新品の歯ブラシで懇切丁寧に歯を磨いたとしても、除去できる歯垢は6割程度なんです。
元歯科助手の私が、院内研修で初めてこの事実を知ったときの衝撃といったら・・!
さらに、新品の歯ブラシの相対的な歯垢除去率を100%としたら、毛先が広がり消耗した状態の歯ブラシの歯垢除去率は40%もダウンします。
新品であっても6割しか歯垢を除去できないのに、毛先が開いた歯ブラシの除去率だと、正直「歯磨く意味ある・・?」って話です。
また、毛先が広がったり毛先が抜けたりして歯ブラシ特有の弾力がなくなった歯ブラシは、汚れをしっかり落とせなくなるだけでなく、歯や歯茎を傷つける原因にもなります。
毛先が広がった歯ブラシは百害あって一利なし・・とまではいいませんが、これに近いものがあると覚えておきましょう。
なお、歯ブラシをこまめに交換するだけでなくデンタルフロスも併用すれば、歯垢除去率はグーンとアップし、虫歯になるリスクはドーンと下がります♪
②細菌の繁殖
歯ブラシは一度の使用でトイレの便器に潜む数と同じ、約1億個もの細菌が着くと言われています。
ただ人間の口腔内にはそもそもものすごくたくさんの細菌が潜んでいるので、1億個という数にそこまで神経質になる必要はありません。
実際に同じ歯ブラシを2ヵ月とか使用したところで、いきなり病に侵されたり体の調子が悪くなるなんて話は無いに等しいですもんね。
しかしものすごい数の細菌が付着していると分かっていながら、長期間に渡って同じ歯ブラシを使用するのは気分的にも衛生的にもおすすめはできません。
なので衛生的な観点で言っても、歯ブラシの交換の目安は1ヵ月と考えるといいですね。
これは毛先が開いていたり歯ブラシが消耗していない場合でも同じことがいえます。
ちなみに歯ブラシを少しでも衛生的な状態で保管するためにと、除菌スプレーやアルコールを使って除菌している方。
残念ながら、そう意味があるとは言えません・・
歯医者さんでおこなっているような滅菌とは意味がまったく異なるので、除菌で菌が無くなるという期待は持てないからです。

もしかしたら細菌の繁殖を防ぐことはできるかもしれませんが、死滅させることはできませんからね・・
また歯ブラシの殺菌のためにと、毛先に熱湯をかけるのも考えもの。
殺菌の意味を成さないどころか、歯ブラシを消耗させる原因になるのでやめておきましょう。
したがって、歯ブラシの除菌や殺菌を試みるよりも、いかに歯ブラシを清潔に保つかを心がけることのほうがよっぽど大事なことだったりします。
衛生的に歯ブラシを保管する方法
歯ブラシをできるだけ清潔に保つためには、歯ブラシの保管方法がとても重要になってきます。
こんな保管方法をついついやってしまってはいませんか?
- 歯ブラシの毛先を下にしてコップに入れて保管
- ユニットバスや洗面台の収納に入れて保管
- 1つのコップに複数の歯ブラシを入れて保管
毛先を下にして保管すると、毛先がなかなか乾燥せず雑菌の繁殖の原因になります。
またユニットバスや洗面台の三面鏡の裏の収納での保管だと、歯ブラシの毛先を上に向けて立てていてもなかなか乾かず、これまた雑菌の温床となります。
1つのコップに複数の歯ブラシを立てて保管するのも同様にNGで、他の歯ブラシの毛先が触れ合うことで新たな菌に感染する恐れがあります。
歯磨きが終わったら流水でしっかりと洗い流し、毛先を上に向けて風通しの良い場所で保管することが歯ブラシを衛生的に保つうえでの基本です。
複数の歯ブラシを保管する場合には、毛先同士が触れ合わないように仕切りなどを用いることも重要です。
こちらの歯ブラシ立てなら歯ブラシをまっすぐ立てることができて、歯ブラシ立ての下に水が溜まらない点も衛生的でおすすめです。
さいごに
歯ブラシの交換の目安は1ヵ月と考えても間違いではありませんが、それよりも毛先が消耗したら交換のタイミングと覚えておくといいですね。
なんせ新品の歯ブラシでも歯垢除去率は6割という驚異の低さであり、歯ブラシが消耗すればするほど歯垢除去率は下がる一方なので・・
「消耗した歯ブラシでの歯磨きは、歯を磨く意味が無い!」と心得て、ぜひ良い状態の歯ブラシを使用するようにしたいですね。
コメント